中国での生活は日本より便利になった件
本文書はただただ筆者が感じた主観的な現象を述べるだけで、現象からの洞察がない文書です。素の現象から「日本頑張らないとやばい!」を感じて頂けたら幸いです。
筆者は日本のIT業界で働く中国の者です。毎年年末は必ず中国に戻って親族と2週間ほど過ごすようにしています。昔は雲泥の差ほどではないですが、先進国の日本から中国に戻ると不便を感じることが非常に多かった。
「コンビニはない」、「地下鉄は不便」、「タクシーは拾いづらい」等色々挙げられます。ただし、2016年年末中国に帰った際に中国のITインフラの進歩により、「日本より全然便利じゃん!」と驚きました。まるで9年前、始めて日本に来た時に自分が生活していたところが遅れていると痛感したような感覚です。地元の友達が常識のように使っているサービスはまさか「生活が便利」でよく知られている日本になく、「え?それはいないの?」と聞かれた時に、言葉は出なかった。
殆どITと関連するサービスですので、日本の方が直接中国に行っても、口座や携帯番号がないと利用できない。そのために、頻繁に中国に出張している日本の方でもその便利さを実感できていないでしょうと思っているので、少しでも日本の方を読んで頂き、参考になればと思います。
支付宝(Aplipay)
まずは多くのサービスが成り立ってる前提であるアリババが提供している支払いサービス「支付宝」を紹介します。海外では「Alipay」として知られている。日本では同等なサービスは存在しません。 まず支付宝ができることは:
- 携帯のキャリア料金を支払う
- 光熱代を支払う
- 自販機の料金を支払う
- コンビニ、売店での買い物の支払い
- 他のアプリ/サービスを使用する際の支払い
- 支付宝同士の振込
もう少し詳細の内容はこのサイトから見れます。 中国の「支付宝(アリペイ)」が便利すぎて凄すぎる! 一見上記サービスは日本でもできるじゃんと思いますが、一つのまとめているのは無いだろう。また、日本の電子マネは基本的に事前チャージ型と月末払いとなっているのに対し、支付宝はすべてリアルタイムで口座から引き落とされます。
もともと支付宝は中国のPaypalと呼ばれていたが、今の支付宝の役割はPaypalを超えている。支付宝にユーザーの銀行口座を登録するだけで、オンライン/オフラインの決済を一括でできる。口座の登録も窓口に行かなくて良く、支付宝のサイト上で5分で済ませる。 もう一つ支付宝に関してすごいのは自営業ユーザーの導入の便利さです。日本では自営業の方はもしカード決済または電子マネ決済を導入するには少し手間かかると思います。申し込みの手続きやカードリーダーも必要だろう。ただし、支付宝を使用すると、必要となるのはネットに接続できるスマートフォンです。そのために支付宝は急速に中国で広がっています。スーパーやコンビニだけではなく、ジムのフロント、眼鏡屋さんとか、中国の方は携帯だけで出掛けられる日が早く来る気がします。
美团
美团は3年前アメリカで流行していた共同購入型クーポンサイト「Groupon」の中国版ですが、現在の美团は中国国民の外食・エンタテインメントの入り口となっています。分かりやすく一個例をあげましょう。例えば今日は映画を見たいとしましょう。
- 美团のアプリを開く
- 映画カテゴリをクリック
- 上映中の映画から見たい映画を選ぶ
- 現在地から近い順に上映している映画館が表示され、映画館を選ぶ
- 該当映画館の該当映画の上映時間と価格が表示され、時間帯を選ぶ
- 座席を選択する画面が表示され、座席を選択する。
- アプリ内で決裁し、購入完了
美团の決裁も5分で銀行カードを登録するだけで支付宝と同じ仕組みでリアルタイムで引き落とされます。
全部7ステップで自分の現在地から一番近い映画館の映画を予約できました。全体的に3分も掛からないです。 日本で映画見たい時にどうするのか想像してみてください。少なくとも3、4、5と6、7は分離されています。日本で予約する際にどうなるかというと、 サードパーティのサイトで映画館と映画を検索して、該当映画館のサイトにて予約する。すべての映画館はネット予約を対応していないため、映画館に行かないと予約できない場合があります。決裁は基本的にクレジットカードですので、すべての映画館の会員を事前登録していない限り、何時かクレジットカードの情報を入力する必要がある。どっちにして、10分以上は掛かるだろう。デジタル世帯の私でも面倒くさいと思うぐらいなら、高齢者が使えると思えません。
映画だけではなく、多くの店は美团でクーポンを提供しています。レストラン、ホテル等全部安く、早く購入できるようになっています。重要なのは一個のアプリにまとめていることです。日本の方はなかなかいい感じのアプリはないと思います。
滴滴(DiDi)
滴滴も美团と同じように、アメリカのUberの中国版であるが、Uberは中国市場参入し、1年以上滴滴とシェアを奪い続けた結果、Uber Chinaは滴滴に買収されたことになりました。 ここでカーシェアサービスは日本に無いことは言いたいわけではない。重要なのはDiDiでは、プライベートタクシーではなく、一般的なタクシーを呼ぶことも可能です。
自営業の運転手は勿論、中国では多くのタクシー運転手もDiDiを使用しているため、タクシーも簡単に呼べます。また、急ぎの場合、100円、300円の追加料金を払って、早くタクシーを呼ぶことも可能です。中国の家から出掛ける際は事前にDiDiでタクシーを呼んで、タクシーが来るまでに家で別のことをやれます。日本のように、家/店の前でタクシーを待つことはなくなります。
2017年1月25日追記、追加料金を払って早く来てもらうサービスは近日中廃止されることはDIDIから発表されました。
UXについて
上記のようなサービスは日本に無いから中国の方は便利だと感じますが、同じ存在するサービスもデザインを重視する日本のUXも負けている…
一個例を上げましょう。
アリババの方を見てみましょう。
- 色の選択はラジオボックス
- 買い物かごに入れるボタンは非常にわかりづらい
- 事前にリアルタイムで店のスターフに連絡できない
中国でもよく日本のITは何故進まないなのかを議論するんですが、よく挙げられる一例は楽天です。 UIと関係していないが、NHKは中国のアリババを紹介する番組がありました。 NHKスペシャル 巨龍中国 14億人の消費革命~爆発的拡大!ネット通販~
まとめ
じゃあ日本の方は全然だめですかって言われたら当然そうでもないです。
そもそも日本ではオフラインの整備はしっかりしているから、O2Oサービスは中国ほど進展できない、または必要がないと思います。コンビニは田舎でも全然あるし、先紹介したサービスはなくても不便を感じないだろう。ただし、日本はITブームを乗り遅れたことは事実で、多くのサービスは中国の方が優れていおり、日本で働く中国人としては少し複雑な心境です。